『現代経済学の直観的方法』(長沼伸一郎・著 2020年初版)
この本の著者はいわゆる経済学者ではありません。
タイトルがいかめしい(漢字が多くてごつごつしている)のでまったく取っつきにくいかもしれませんけれども、およそわたしが読んだ経済学関連の書籍のなかでは圧倒的に親切です。
この本を読むと、というか、章ごとに著者は、この章を読むことで読者にもたらされるメリットや効能を、毎回、うれしいほどに繰り返してくれます。
読者の立場にしっかり立って、脱落しないように頻繁に励ましてくれるのです。
読書体験というのは、繰り返せば繰り返すほどどんどん知識がひろがっていき、楽しくてやめられなくなります。
はじめの一冊を読み通すのは、いつの時代にあっても、だれにとっても困難な挑戦です。ですからとにかくむずかしい専門的なことをひたすら書いてある本はどうしても途中で挫折してしまいます。
この本はそういうことはありません。章ごとにしっかり独立していて、読むことのメリットを教えてくれるので、読もうという気になりますし、この本はタイトルの厳めしさとは裏腹に、かなりユーモアもあるし、ワクワクするし、新しいことを知る驚きや興奮に満ち溢れています。
すでに経済や貨幣についての知識をお持ちの方は、Amazon EchoやFire端末のkindleでこの本を読むことができると思います。